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9/1「ヴェニスの商人」ソワレ

「JCS」惚けを引き摺ったままの状態で訪れた天王洲銀河劇場。

念の為前夜に一夜漬けで戯曲を読み直しはしましたが、公演自体に関する予備知識はほぼゼロの状態でした。だもので天王洲アイルの駅に貼られている↓のポスターを見て「ほほう…西岡徳馬さんは公爵の役かあ」と完全に勘違いをしていたので幕が上がってびっくらこきました。シブいアントーニオだなあ(笑)。まあ藤原バサーニオとの年齢的釣り合いを抜きにすれば、あれだけの財を保有しているという役柄なのでこれ位の落ち着いた歳であってしかるべきなのかもですが。







パンフレットは「ペテン師と詐欺師」の時と同じく珍しい正方形タイプ。

銀河劇場の定番サイズなのでしょうか。

開演15分前位からロビパフォっぽいのが行われておりました。「ぽい」と書いたのは、個人的にロビパフォ=「夢醒め」のロビパフォという刷り込みがあるのでそれに較べるといささか盛り上がりに欠(略)。

ヴェニスのカーニバルを模し、仮面をつけた人々(恐らく中身は役者さんだと思われ)が客席やロビーを歩き回ったり、楽器の演奏をしたりしていました。客席担当の人達は時々背後からお客さんを脅かしてみたりしていたのですが、何分お客さんの年齢層が高いので(自分もですな…)正直反応は芳しいとは言い難いものがありましたが(苦笑)、これから劇場という特別な空間で芝居という特別な時間が始まるんだよーと思わせてくれる演出は良かったと思いました。



抽選予約で入手した本日の席は2階最前列センター。これが素晴しい良席で!

基本的に劇中で舞台機構の大きな変換はない演出だったのですが、舞台の床がガラス…強化プラスチック…アクリル板…えーと、とにかく素材が何かは正確には判らないものの、透明のタイルがはめ込まれて作られていて、そこに下から照明が当たる様子が非常に美しかったです。1階席からは恐らく殆どわからないであろう効果なので勿体無いなあとも思いつつも、己のチケット運にしっかり喜んでみたり。



この観劇の翌々日に勃発したブラックマンデーの衝撃で色々忘れていますが、以下感想をちょこっとだけ。最後に絶大なネタバレがあります。念の為フォント色を変えておきますがご注意を~。


市村シャイロックはもう期待通り!さすが!!の一言に尽きます。彼が出てくると舞台の空気が一変してしまう存在感が凄過ぎました。

私自身の無知のせいでキリスト教徒とユダヤ教徒があれ程までに互いを蔑視し憎悪する理由がイマイチピンとこなかったりするのですが、裁判の結果、財産まで没収され終いには改宗まで命じられたシャイロックの絶望が余りに痛ましかったです。裁判後のシーンは恋人達による喜劇色が強いのに、観ている側の気持ちの切替が全く追いつかなかった程です。だもので終演後お客さんの間からはシャイロックを弁護し、サレーリオやグラシアーノの言動を罵倒する人多数でした(苦笑)。

劇中ではとことんシリアスな市村さんは、カテコでは両手バイバイをしながらスキップしたりとなんともカワイらしかったです。



藤原バサーニオ、舞台で拝見するのは初めてでした。

数々の受賞歴や評判を聞いて非常に楽しみにしていたのですが、こちらも期待通りでした。台詞術が素晴しい!「恋の虜になっている若い男」という役柄もあってか、かなり早口で喋るのですが、一語たりとも澱みなく明瞭に耳に届いてくるのが凄い。

そしてあの明るく華やかな雰囲気も良いですねえ。戯曲を読んだ時にはポーシャの尻に敷かれているというか…なんか女々しいというか…ぶっちゃけ個人的には魅力的な人物には思えなかったバサーニオなのですが、ポーシャに心変わりを疑われて一生懸命理由を説明するのに許してもらえず、途中でプチギレしたりするのが何だかリアルで好感度大でした。



寺島ポーシャは、もう少し声量が欲しいかなと思いましたが良く通る声で聞き取りやすかったです。何よりお美しい~!!というかあの衣装がもの凄く好みっ!輪っかのドレスみたいなのより、ああいう一見シンプルに見えて実に繊細な意匠が施されているのって好みなんですよねえ。「レベッカ」の衣装も同じ小峰さんということで期待しちゃいます。後は東宝の予算次第か…

ポーシャがバサーニオの借金額を聞いて「まあ!たったそれだけ?」と驚く所に全く嫌味や奢りが感じられないのが如何にもお嬢さん育ちの素直さという感じが良かったです。



…とここまでは結構褒めてきたのですが、グラシアーノとジェシカは正直観ていて厳しかったです。

グラシアーノのガラガラ声は一体…?いくらなんでもストレートプレイの芝居であの声は酷すぎるだろうと思い、同行者と「…きっと風邪ひいてるんだよね。」という結論に達したのですが…他日に観に行ったよという人が身近に居ないので真否の程はいまだ判りません。



ジェシカの方は一本調子というか何を考えているのか全然わからなかった…。京野ことみさんに対する印象といえばいまだに「白線流し」な訳ですが(古)、あのドラマの時と演技が同じな気が…。何か常に攻撃的な口調だし、感情の変化が殆ど感じられなくて。自分の恋人のロレンゾーの友人達がシャイロックを罵倒するのを聞いても無表情だったしなあ…(汗)。最後に父親の財産が自分に譲られる事を聞いてさすがに複雑な表情になっていたのは救いでしたが、それまでの過程が見えないので余り響かなかったです。お顔が小さくて恐ろしく可愛かったのはさすがTVに出る女優さんだなあと思いましたが…。



今回の「ヴェニス~」は豪華キャスティングに加えて、RSCのグレゴリー氏が日本で初演出をするというのも評判だったのだと思いますが、そもそもシェイクスピア作品初観劇の私には演出や解釈の卓越した相違点なんかはよくわかりませんでした。

が、ちょっと気になったのはパンフレットでアンサンブルさん達が競うように書かれているグレッグ賛美のコメントの数々…。いえ、確かに素晴しい才能を持った方なのかもしれないですが、1人残らずグレッグマンセーな文章なのは正直怖いと思ってしまいました。それに「メッセージ」というタイトルなのだから、本来は観客に対して自身の役作りへの取り組みや見どころを語るべき欄なのではと思うのですが。普段見慣れないジャンルのお芝居を観る時は、パンフに書かれた役者さんのコメントを読んでその人の人となりなんかを想像するのが楽しかったりするのでちょっと残念でした。







↓以下ネタバレです。





美しいポーシャには世界中から求婚者が訪れます。その求婚者達はポーシャの父親の遺言で「金・銀・鉛」の箱から正しい物を1つ選ぶという「箱選び」を行うのですが…その求婚者役を演じていたのが藤原くんだったのという事を帰宅後に知りました。

2階席だったので顔もよく見えないし、藤原くん自体初見なのでまだ声で判別出来る程経験値もなかったので、「めちゃめちゃ巧いし客席はバカウケだけどあれは誰!?」と思って幕間にパンフレットを読み漁るも書いていなくて判らずじまい。

帰宅後にネットの海を彷徨い、とある新聞の劇評に辿り着いてこの事を知りました。「ヴェニス~」が始まったのが8月半ばで、思いっきり自分的「JCS」祭りと被っていたので全く情報に気がつかずによかったです。わかって観ていても楽しめたと思うのですが、全然気がつかずに観ていて後から知った時の衝撃というのもなかなかオツでした。



ちなみに藤原くんが演じた求婚者は2役で、1人は顔を真っ黒に塗ったモロッコの大公、もう1人はヨボヨボで入れ歯の出来損ないエスカミーリョみたいな(←注:私の勝手な印象です)アラゴン公爵。どっちも思いっきり汚れ役ですけど、楽しそうに演じられてましたね~。従者役の人達がワンテンポずれた間の抜けたりアクションをするのも可笑しかった!

あのシーンを見て、シェイクスピア作品と聞くとついつい身構えてしまいがちだけれど、元々庶民が楽しめる様に作られてるんだよなあというのを実感しました。






















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