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5/30「マリー・アントワネット」マチネ(大楽)その2

「MA」→「レミゼ」掛け持ちキャストの皆さんは休む間もなくお稽古に入られている様で。祐一郎さんだけ初日が遅いのは、オッサン(コラ)の年齢に配慮して少しはお休みをあげようという事なのかなーなんぞと思っていたのですが、まさか本番では組まない顔ぶれとのお稽古までしているとは……やはり舞台役者さんは何はともあれ体力がないと勤まりませんね。残業に愚痴をこぼしている己をちと反省。



初っ端から話が盛大に逸れておりますが、私の方はまだ「MA」の余韻に浸っておりますので感想の続きを。もう既にあちこちのブログ様で掲載されているはずですが、この日は大楽仕様のアドリブが色々入っていて楽しかったです。



・「私こそがふさわしい」で綜馬オルレアンが禁断の盆の上に寝っころがって歌うパフォーマンスをお披露目!綜馬さんの体調が悪くなっていない事を祈ります。いやーブキミだった…。いえ最高ですっ!



・その綜馬オルのソロの後は勿論ショーストップ!!だったのですが、楽日とあってボーマルシェが止めても止めても拍手を繰り返し粘る客席。恐らく5・6回は続いた様な。最後はボーマルシェが「もうホントにやめましょうね」と客席に懇願してました。その後綜馬さんが「国王など問題ではない」といつも通り普通にセリフを喋ったのにそれにも笑ってしまう客席。「箸が転がっても可笑しい」スイッチが入ってしまった感でした。



・ロアン大司教の紹介は「ハイでました。最後は目出度い妖怪赤ダルマ!」

それを聞いて「そのダルマ、ちゃんと両目入っている(=満願成就)のかなあ…」とイジワルな考えがよぎってしまった私をお赦し下さい…。



・「7つの悪徳」が終ってボーちゃんが下手階段に走ってくる時点で既に拍手喝采。「まさか拍手で迎えられるとは」と嬉しそうなボーマルシェ。塩田さんに「今日は優しいねえ。最後だもんねえ。」と話しかけたり等はいつも通りでしたが、「時は1785年!」のセリフの前に「さあ千秋楽、1幕も大詰め!」というフリを入れてくれたので盛り上がりました。



・禅さんルイの「ホントにいっぱい…」にも拍手喝采。この「いっぱい…」が聞けない日がほとんどだった事を思い出すとちょっと切実で複雑な気持ちもしましたが、そんな想いを払拭する為に沸き起こった拍手だったのかもしれません。



・ロアン大司教の「ただいま!ただいま!!」の後の高笑いが楽仕様でラスト高音上げ。



・綜馬オルレアン子が「こんなやつら殺すのよぉーーーーーーーー」とプチロングトーン。



・「パリ情報」で春風ベルタン夫人が「本日で閉店。御用の際はお早めに~。」とアドリブ。その後ボーマルシェが春風さんのドレスの胸元から、スルスルと三角形の三色旗を(カテコ動画で山路さんが首から下げてるものです)手品の様に取り出し。おおーめでたい感じでいいねえと思う一方で、春風さんの大きく開いた(しかも谷間バッチリな)胸元から取り出す図というのにちとドキドキしちゃった私です。



本編での楽モードはこれ位でしょうか。我が祐一郎トロ様は全くと言っていい程特別な事はしておりませんでした。楽っぽいロングトーンをちょこっと期待していたのですが特段変わった事は無く。「ILLUSION」に関しては個人的には27日ソワレの神がかり的なド迫力の方が記憶に残っています。

更に「もしも」では、ホントに一瞬仮面をずらす程度で終ってしまいあのゆったりとした極上の微笑みは封印。「あの甘ーい笑顔をこの目にしかと焼き付けるぜ!」と構えていたのに~祐一郎さんのいけずっ。

でも祐一郎カリオストロが本編では淡々と平常通りの芝居だったのは、結果的に作品のバランスとして至極良かったと思っています。ファンが多いだけに祐一郎さんがアドリブをしてしまうと作品の空気が変わってしまう(例:レミゼの宿屋のシーン)懸念がありますし。



この大楽公演は息抜き部分と、キャストの熱演にからくる張り詰めた芝居とのバランスが本当に素晴しかったです。MAでこんなに笑ったのは初めてでしたが、同時にシャルル連れ去り辺りからラストまでずっと涙が止まらない程引き込まれたのも初めてでした。あ、「ダンダダダン」で初泣きも経験しました。桝井ジョセフの「ギロチンは止めて」を叫ぶ表情が本当に炎に取り囲まれてしまったかの様なあまりに悲痛な表情で…このシーンのジョセフの演技には「ちょっと逝っちゃってるっぽい」バージョンもありますが、こっちの方が好きだなあ。

えっと何が言いたいかと言うと、作品の大テーマがなんであれ、やっぱり上演時間3時間にも及ぶ作品なのですからメリハリが必要だなあと改めて思ったのです。




そして何よりこの日は客席の熱さと集中力に感動しました。勿論ご祝儀的な意味合いでの拍手が多かった事は否定できないと思いますが(まさか娼婦のシーンでショーストップになるとはねえ…)、キャストの熱演と、それを存分に受け止めて応えようとする客席の熱意がぶつかり合って生み出される、目に見えない「何か」…それを久し振りに感じられた事に感動してしまいました。



全くの私見ですが…この日客席にいたお客さんの「MA」に対する想いは、他の作品に対してとは何かしら違う複雑なものだったと思います。



昨年の11月初演当初は「二度と観たくない」という感想も少なからず見かけました。その様な感想を持った方はこの楽には来られていなかったと思いますが、逆に「MA」が大好きで何度も通ったという方であっても単純には割り切れない気持ちがあったと思うのです。自分が良いと思う作品なのに世間では不評が多く、劇場に行けば空席が目立ち、キャストの熱演に対して申し訳ない様な寒い雰囲気が漂っていたのはとても哀しい事だったのではないでしょうか。「他人がどう思うと自分の感性が何より大事」というのはまさにその通りですが、それで完全に割り切れる程誰しも強い心を持っているわけではないでしょう。

1番多かったのは「嫌な部分もあるけれど、好きな部分もあるし何よりキャストの熱演の為に観に行く」というお客さんでしょうか。私もそのクチで、最後なので「MA」で個人的に嫌な部分を上げてしまうと…



・どの席に座ってもどこかしら見え難い舞台機構

・「パンがなければシャンパンを」ぶっかける意地悪なマリー

・「完璧な王妃」の品の無いマリー

・目がチカチカするカリオストロのショボイイリュージョン(爆発)

・「心の声」のラパン夫人の無理めな論理展開

・「お望み叶えて」ほぼ全部(←全く盛り上がらないので…)

・「心の声(R)」で恩人ラパン夫人をゴトッと思いっきり落とすマルグリット

・「心の声(R)」で音楽の盛り上がりに反して下がっていく演出

・「なんというセレモニー」の血糊付きカーテン

・カリオストロの黄旗(←断然浮いてるので実は要らないと思っている…)

・2人のMAが同じ歌を知っているというフリがあるのにオチがない点

・「見ないで!」と言いながら、子供が聞いてるのにラパン夫人死体描写を述べるマルグリット

・生首行進

・子供の前で熱烈なチューを交わすフェルセンとマリー、及び気の利かないマルグリット

・マリー処刑時の民衆のうめき声(←11月にこれで貧血を起しかけた経験有)

・マリーの死体放置のままのカテコ(昨年帝劇公演限定)




思いつくままにあげただけでこれだけあるわけです。キャストの素晴しさには毎回感動していましたが、キャスト目当てと割り切ってしまう事には何故か自分自身の中で抵抗があったりもして、観劇の度に心の奥底にモヤモヤとしたものが残った状態でした。



そして複雑な想いを抱えてきたのはキャストの皆さんも同じだと思います。カテコの挨拶等オフィシャルな場では「この作品、この役に出会えて良かった」と仰る方がほとんどでした。その想いは真実の物だと思います。その一方で新聞の劇評や時にはファンから直接はかばかしくない評判も耳にされ、空席の目立つ客席を目の当たりにして辛く無かったはずは無いと思います。「作品はアレだけどキャストは良いよね」という感想も慰めにはならなかったでしょう。



そんな風に客席もキャストの双方が口に出せない複雑な想いを抱えたまま迎えた大楽公演。キャストの熱演とそれに対する満席の客席から贈られる熱い拍手に、「色々あったけれど何も言わずに温かい気持ちで幕を下ろそう」という1つの気持ちに舞台と客席が辿り着きまとまった様な感覚を覚えて、大勢の人が同じ時間と空間を共有するという何物にも変え難い魅力に改めて感動して来た次第です。



そしてカテコでの祐一郎さんの三三七拍子…ではなく三本締め。動画だけを見ると、あの凄まじい大音量にビックリしてしまうだけかもしれませんし、人によっては「作品の雰囲気に合わない」「1人で羽目を外して暴走している」「拍手・スタオベを客に強要している」と思うかもしれませんし、中には「人気を嵩に着て何でもアリだと思っている、それにノる客もどうかしている」と思う人もいるかもしれません。

でもあの祐一郎さんのパフォーマンス…あえて自身がピエロになる事で、「MA」に関わった全ての人が抱えた複雑な想いを吹き飛ばしてくれたと私は思っていますし、あの日あの空間に居合わせた人であればその様に感じたはずだと思います。

それに昨年の「レミゼ」のプロポーズの方が余程逸脱してたと思います…作品にも役にもカンパニーに対しても何の関係もない締めの挨拶(?)でしたもんね(苦笑)。イヤ私は涙が出るほど楽しかったのですが。



えーと話を戻して。とはいえ祐一郎さん自身はみんなの為に自己犠牲をあえてやるとか、緻密に計算した上で行動するとか、そういう事は考えなかったかなと思ってますが(笑)。これだけ長い間舞台に、しかもその中央に立ち続けてきた祐一郎さんが直感的に「あの場に必要だと感じた」からやった事だったのではないかなと思っています。そんなわけで私自身はこの大楽公演観劇+カテコ挨拶で非常にスッキリとした満足感を得る事が出来ました。素晴しいMAカンパニーの皆様に心から感謝の意を叫べます。半年間本当にお疲れ様でしたーー!!





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